食品工場・食品流通対象
時間 | 内容 | 講師 | |
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1 | 13:00~13:30 | 近年の食品業界を取り巻く情勢と苦情・リコールの状況 | 辰口 誠 |
2 | 13:30~14:20 | クレーム発生時の対応基準 | 伊藤 壽康 |
3 | 14:20~15:10 | クレーム情報の解析と原因究明 | |
4 | 15:25~16:45 | リコールプランの構築と模擬リコール |
近年の食品業界では、食肉偽装や賞味期限偽装などのモラルハザード、食品衛生法などの法律違反など、企業倫理そのものを問われるケースが多くなってきており、企業の姿勢もしくは企業存亡自体が問われる時代となってきております。こうした中では、企業側がより一層厳しい視点もしくは独自の危害分析を行い、必要に応じてこれらを管理下におくことが必要となります。
そこで、このセッションでは、歴史的に重大な食品事故の事例、近年の食品業界を取り巻く情勢、海外での事例などを解説するとともに、今後もリスクとなり得る課題について解説します。
お客様から寄せられたクレームは、企業にとってはppmレベルで発生した問題ですが、お客様にとってはそのクレーム品自体が企業の顔となります。このため、クレームが発生してからの対応次第では、思わぬ重大事故に発展する場合もあり、いかにしてスムーズな初期対応を行うかが重要な鍵となります。ジョン・グッドマンの法則にも示されているように、申し出への対応に満足したお客様は、逆に企業への信頼を高めることにもなります。
クレーム対応においてまず重要になるのは、その組織と責務を明確にすることです。お客様対応部門だけが行なう活動ではなく、企業全体の責任として位置付け、最高責任者、クレーム対応部門、関連する各部門などの責務を規定する必要があります。こうした組織と責務を基礎として、クレーム対応方法のフローチャート、受付時の対応基準、原因の究明、お客様への対応などの手順を定めていく必要があります。
2004年7月に制定されたISO10002「品質マネジメント‐顧客満足‐組織における苦情対応のための指針」も参考としながら、クレーム対応マニュアルに備えるべき要件とその内容について解説します。
クレーム対応におけるもう1つの重要な項目は、クレームなどのお客様からの情報を製品品質の向上に最大限生かしていくことです。クレームの原因究明に際しては、目前の現象だけにとどまらず、原材料の調達・保管・管理、製造方法や製造当時の状況、流通、消費形態にいたるまでの各段階に目を向け、要因を分析・評価していくことが必要です。また、例えば1年間に発生したクレーム情報を集計し、傾向を解析して、主要な問題点を明確にしていく作業も不可欠です。
こうして得られた情報は、製品提供までの各段階にフィードバックされ、同様のクレームの再発を防止していくとともに、リコールなどの重大な事故が発生するリスクを低減していくことにもつながります。
このセッションでは、異物混入クレームの事例を中心として、クレーム情報の解析と原因究明の方法、また製造工程へのフィードバックについて説明します。
リコール(回収計画)は、リスクマネジメントの重要な1項目です。リコールが必要となった場合には、直ちにリスク評価を行い、ダメージを受けた製品を一刻も早く市場から回収しなければなりません。最も重要なのは、消費者の健康危害を最小限に食い止めること、そして会社の経営に対する損害も極小化することです。そのためには、予めリコールチームを編成しておき、原材料ロット、工程、出荷先を把握するためのトレーサビリティーを確立しておくことが重要です。また、定期的に模擬リコールを行い、リコールチームと組織が的確に運用できるか訓練するとともに、プランの実効性を検証することも必要です。
このセッションでは、CFIA(Canadian Food Inspection Agency)のリコールプランを参考に、リコールチームの編成からリコールの終了までの流れを説明、リコールプランの構築から模擬リコールによる訓練までを解説します。
注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。