医薬品・医療機器・食品工場・食品流通対象
製造環境のモニタリングにより検出される微生物は、目視確認や菌数把握のみではなく、分類・同定を行うことにより様々な情報を引き出すことが可能です。特徴や性状の確認から発生要因や制御方法を検証することにより、日常管理プログラムや運用状況と関連付けて考察を行うことが可能になります。これは製造環境を衛生的に管理する上で重要な項目です。
近年の微生物分類・同定は、遺伝学的性質を中心に組み立てられており、菌叢は比較的容易に把握する事が可能になっております。一方で、設備やランニングコストの問題もあり、現場へ広く浸透していなことも事実です。
今回のセミナーでは、微生物分類学の基礎と細菌の表現型に的を絞り、一般的な施設設備において実施可能な分類方法と同定技術について解説を行います。
新人教育、微生物試験担当者、微生物試験への考察に関する基礎力量アップに最適なプログラムです。
2010年10月13日:東京会場
2010年10月21日:大阪会場
時間 | 内容 | 講師 | |
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1 | 13:00~13:45 | 微生物分類・同定の基礎 | 小山 和博 |
2 | 13:45~14:30 | 細菌同定試験までの原理と流れ | |
3 | 14:45~16:45 | 表現型による細菌分類 | |
3-1 | Bergy’S Manual of Systematic Bacteriologyを中心として | ||
3-2 | 簡易同定キット試験を中心として | ||
3-3 | 情報提供:新しい分類方法(遺伝学的性質) | ||
4 | 16:45~ | 質疑応答 |
微生物の分類・同定手法は、分類学の変遷と共に変化しています。特に近年は遺伝学的性質に基づいた分類が主となり、旧分類群の再整理、新種提案が盛んに行われています。
微生物の分類・同定を進めるにあたり、生物分類の移り変わりと微生物の位置付けを認識することは重要な前提知識です。本セッションでは、生物分類の歴史と背景について最近を中心として細菌命名規約と種同定における考え方の基本的項目を解説します。また、微生物分類・同定が実際の工場レベルにおいて何故重要であるか、その考察範囲と事例を解説します。
細菌の分類・同定は、数々の分類学的性質試験の結果から総合的に考察に基づいて実施されます。目的とする分離条件の設定、分類・同定試験に必要な資機材類、各試験項目種類について解説します。
工場における同定試験の立上げ、現状実施している試験項目に対する追加、外部委託報告書の読み解きなど、同定試験の設計と考察部分について解説します。
① Bergy’S Manual of Systematic Bacteriologyを中心として
表現型を基本として書かれている分類学書を用い、細菌分類の仕組みと階層について解説します。また、必要となる分類学的性質試験の手技方法、決定した性質から分類学的考察を行うステップを説明します。
② 簡易キット試験を中心として
①による性質から同定キット選定と試験使用の実例、その考察範囲を解説します。
③ 情報提供:新しい分類方法(遺伝学的性質)
細菌の遺伝子を対象とした分類同定方法について近年行われている試験項目を簡単に解説します。
注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。