食品工場・食品流通業対象
CFIA(カナダ食品検査局)によれば、カナダの2010 年度における食品の回収は、微生物と食物アレルゲンを原因とするものが多くを占めています。 微生物の中で食中毒の原因菌として特に重要視されているのは、死亡率が高いとされるリステリア菌です。また、食物アレルゲンはわずかな量の混入でも全身症状(アナフィラキシーショック)を起こす場合があり、重要な管理項目です。これらの汚染を防止するためには、コントロールプログラムの導入と運用が不可欠です。
今後、日本においても重要な食品危害となる可能性があるリステリア菌と食物アレルゲンについて、これらをコントロールするためのポイントと実施方法について解説します。
2012年9月13日(木):静岡会場
2012年9月7日(金):大阪会場
13:00~17:00
会費:¥20,000-
時間 | 内容 | 講師 | |
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1 | 13:00~13:30 | 北米における自主回収の状況について | 津田 訓範 |
2 | 13:30~15:30 | 食物アレルゲンコントロールプログラム 考え方・プログラムの内容・運用と定着のポイン |
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3 | 15:45~17:00 | リステリアコントロールプログラム 汚染状況・プログラムの内容・環境管理の重要性 |
北米では、リステリア菌と食物アレルギーを重視しています。リステリア菌は死亡率が高いため、特にRTE(Ready-to-eat)を加工する食品工場は徹底した衛生管理を実施しています。また、食物アレルゲンは、アナフィラキシーショックで年間150 名程度が死亡しており、重要な課題になっています。このセッションでは、北米の食品危害に係わる情報を紹介いたします。
食物アレルギー表示制度の目的は、アレルギー患者が食品表示を確認し、食物アレルゲンを回避することにあります。このため、食品工場に対してはアレルギー表示に関する高い信頼性が求められています。
食物アレルゲンコントロールの中心は洗浄と清掃で、製造機器・環境の洗浄計画を設定することが重要です。それに加え、原材料の管理、製造計画、製造ラインの専用化、動線管理などを検討し、定着のための教育と監査を実施することで、食物アレルゲンの混入を極力回避することが必要です。
食物アレルゲンコントロールプログラムの実践を通じて明らかになった運用と定着のポイントついて、具体的な事例を含めて説明いたします。
リステリア菌による食中毒は、死亡率が高いことで問題視されています。日本でも2011 年にリステリア菌を原因とする食品の自主回収が発生しました。また、厚生労働省はパンフレットを作成して妊産婦の方に対してリステリア菌の情報提供をおこなっております。
リステリア菌は、製造機器より製造環境の床、排水溝、壁面などにバイオフィムを形成して付着している場合が多く、作業員の靴、フォークリフトのタイヤ、製造中の汚水の飛沫などにより製造している食品が汚染する可能性があります。このため、製造環境、備品の衛生管理が特に重要となります。カナダのリステリアコントロールプログラムを中心に、事例を交えて解説いたします。
注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。