第104回EQMセミナー 『食物アレルゲンコントロールプログラム』

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EQMセミナー情報EQM Seminar Information

食品工場・食品流通対象

第104回EQMセミナー
食物アレルゲンコントロールプログラム
  食物アレルギー表示制度が施行され、今年の4月で5年が経過しました。その間、平成17年に特定原材料に準ずるものとして「バナナ」の追加、公定法の一部改定が行われました。また、アナフィラキシーショックの対応として「EPIPEN(エピペン)」が利用できるなど、環境が変化しております。
  厚生労働省ホームページ「アレルギー物質を含む食品の表示の違反事例について」によると自主回収は100件を超え(平成15年2月~平成17年5月)、原因は表示漏れが最も多く、その次に原材料の問題です。また患者の発症例もあり、食品工場、流通で確実なコントロールが必要と考えます。
  食物アレルゲン対策を実施するには全工程においてクロスコンタミネーション防止を徹底することが必要です。そしてコントロールプログラムを作成し、運用しなければなりません。それには、①インスペクションによる現状の確認、②問題点の解決と改善の実施、③コン トロールプログラムの作成と教育、④監査による定着と運用が必要で す。
  そこで本セミナーでは、食物アレルゲンコントロールに必要な項目を個別に解説し、プログラム作成時のポイントを明確にいたします。
また、北米における取り組みと課題、厚生労働省の今年の取組みなどの最新情報を解説、全世界的に取り組まれている内容について理解を深めたいと思います。
食物アレルゲンコントロールを実施するための最適なプログラムをご用意いたしました。皆様のご参加をお待ちしております。

2006年8月22日(火):東京会場
2006年8月25日(金):大阪会場

 
10:00~17:00
会費:¥30,000-

EQM セミナー スケジュールEQM Seminar Schedule

  時間 内容 講師
1 10:00~10:30 食物アレルゲンの北米・日本の最新情報 林    亮介(東京)
濱田 雪義(大阪)
2 10:35~12:00 食物アレルゲンコントロールプログラムの考え方 津田 訓範
3   食物アレルゲンコントロールの実際 津田 訓範
  13:00~13:55   3-1.原材料・供給者のコントロール 津田 訓範
  14:00~15:00   3-2.製造工程のコントロール 津田 訓範
  15:15~16:00   3-3.食物アレルゲンクリーニング 辰口    誠
  16:05~17:00   3-4.監査と教育 辰口    誠

講演要旨Abstract Of Lecture

1)食物アレルゲンの北米・日本の最新情報

  北米において食品の危害要因で最も重要視されているのが化学的危害である。化学的危害には食物アレルゲンや農薬、殺虫剤などが含まれ、これらを製造工程で除去するのは困難である。また、人に対して微量で影響を及ぼす可能性があり、コントロールが必要である。北米では食物アレルギーによるアナフィラキシーショックで年間150名程度が死亡している。その中でカナダでは、「食物アレルゲン予防プラン」として、HACCPプランで管理を行っている。
   このセッションでは、北米と日本の厚生労働省における最新情報について述べ、食物アレルゲンコントロールの必要性について述べる。

2)食物アレルゲンコントロールプログラムの考え方

   食物アレルゲン対策は現状を知ることから始める。インスペクションにより原材料、納品、保管、加工、洗浄などライン全体を詳細に調査する必要がある。次に問題点を明確にし、汚染防止対策を行い、食物アレルゲンコントロールプログラムを文書化する。そして定着のための従業員教育を実施し、監査により確認する体制を整える。
  このセッションでは、カナダの「食物アレルゲン予防プラン」を中心に解説し、食物アレルゲンコントロール方法の考え方の全体像を解説する。

3)食物アレルゲンコントロールの実際

   毛髪やその他の異物に関して、混入原因の究明のために実施すべき各種の分析手法について説明する。
  毛髪、あるいは毛様異物の場合、まず毛髪なのか、そうではなく繊維の類なのかの判断が必要になる。また毛髪であっても、人毛か動物毛か識別しなければならない。これらは主に表面の形態や内部の形質に基づいて分析される。また毛根には、酵素やDNAが含まれており、これらも分析に用いることができる。その他の異物では、各種の金属や石などの鉱物、製品の変質物や夾雑物、ゴムや樹脂類など、様々な異物が存在する。多くの場合、外観の拡大観察と分析機器類による成分の分析が、異物の同定の鍵となる。これらの分析方法と、分析のために必要な資料や情報等について解説する。

 3-1.原材料・供給者のコントロール
  食物アレルゲン対策で供給者の管理は重要なポイントである。それは全ての原材料を納品時に確認することが出来ないからで、予め供給者の詳細な調査を実施し、使用する原材料、製造工程、他のラインで特定原材料を含む製品を加工しているのかなどの情報と実態を確認する必要がある。問題が確認されれば、改善要求を行い、安全な原材料が納品できる体制を整えなければならない。
  カナダのSQA(Supplier Quality Assurance)の考え方を参考に、食物アレルゲン汚染防止対策の視点から供給者の管理方法について説明する。

 3-2.製造工程のコントロール
  食物アレルゲンコントロールの基本はセパレートである。原材料、製造機器、備品、従業員など、工場内で汚染する可能性がある部分を全て確認し、対策を行うことが必要である。また、工場内部のカラーコントロールや特定原材料の表示など、確実に区別できる体制を整える。このセッションでは、食物アレルゲンを汚染させない工程管理方法について実例を示し解説する。
 
3-3.食物アレルゲンクリーニング
  食物アレルゲンは蛋白質の一部であり、加工機器、環境からのクロスコンタミネーションを防止するためには蛋白質を効果的な洗浄、清掃方法で除去することが要求される。そのためにはケミカルの選定、温水洗浄、吸引清掃などの設計が重要なポイントになる。また、モニタリング、検証方法も設定しなければ科学的根拠を得ることができない。
  食物アレルゲン対策を考慮した洗浄、清掃方法について述べる。また、製造機器、製造環境のサニタリー性についても触れ、ハード面の対応についても説明する。

 3-4.監査と教育
  食物アレルゲンコントロールプログラムがシスマティックに運用され、定着しているかを定期的に確認しなければならない。それには監査を実施して、指摘された内容について教育プログラムを組んで是正する取り組みを行うことが重要である。
  このセッションでは、食物アレルゲン監査とフォローアップのための教育について解説、監査方法と評価について述べる。


注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。