食品工場・食品流通対象
時間 | 内容 | 講師 | |
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1 | 10:00~10:45 | SSOPの重要性と課題 | 津田 訓範 |
2 | 10:50~12:00 | 洗浄殺菌方法の確立(科学的根拠にもとづく洗浄設計) | 中村 澄(東京) 辰口 誠(大阪) |
3 | 13:00~14:30 | 食品工場の洗浄による危害コントロールの実際 (異物・微生物・食物アレルゲン) |
津田 訓範 |
4 | 14:45~16:50 | SSOPマニュアル作成と定着のための教育と監査 | 辰口 誠 |
製造機器、及び製造環境の衛生管理は食品工場の衛生管理において重要視されている。なぜなら、SSOPの運用、定着を実行しなければ、製品にたいして汚染や混入という形で直接影響を及ぼすことが考えられるからである。諸外国においてもSSOPは重要な管理項目のひとつとされており、HACCPのCCPとしての位置づけで管理されている。
本稿では、SSOPの重要性について説明するとともに、各国の取り組みと課題を解説する。
SSOPを確立するためには、洗浄対象の汚れの特性や材質を把握し、汚れを効率よく除去する為の洗剤、資機材選定や適切な殺菌剤の選定が重要となる。また、洗浄作業の決定には、機器の使用頻度、洗浄作業にあてる労働力等も考慮し、洗浄仕様や頻度を設定しなければならない。また、その一方で洗浄の設計には、科学的根拠を踏まえ、洗浄仕様を設計することが重要である。そのことにより、完成したSSOPは、効果的かつ均質な作業効果が得られるようになる。
本稿では、洗剤、殺菌剤の化学的な作用や実際の洗浄殺菌作業仕様の設計および洗浄時のモニタリング設計方法について解説する。
食品に対して危害は、生物学的(微生物)、化学的、物理的(異物)危害の3つに区別される。これらの危害を取り除く制御方法の一つが洗浄である。また、それぞれの危害は、工程に対して影響を及ぼし、微生物学的危害では残渣の蓄積や結露によるカビの発生、化学的危害では食物アレルゲンの蓄積や洗剤の残留による汚染、物理的危害(昆虫などの生体由来物)では食品残渣の蓄積や二次的に昆虫の発生によりそれぞれ影響を及ぼす。それら危害に対して洗浄は有効な手段であり、それらの問題解決となる。
本稿は異物(レスケミカルの昆虫管理)、微生物、食物アレルゲンを制御するための洗浄方法について実例を含め解説する。
SSOPマニュアルは、本来、意図した目的・結果を現場作業へ定着させるための標準化手法である。しかしながら、現場では得てしてマニュアルに規定されたものとは異なる作業を行っていることが見受けられる。定着されない要因は様々であるが、共通して言えることは管理側と現場作業側との乖離が埋まらないことが原因である。
洗浄方法の定着には、設定した洗浄方法の現場マニュアル、OJTなどを用いて定着させることが必要であり、常に洗浄品質を維持するためには、適時適切なモニタリングを行い、期待されたとおりの効果が得られているかを確認することが重要である。つまり、自らの管理下に置き、PDCAとして機能しているかを確認していくことが重要であり、定期的にSSOP監査などの手法を用いてモチベーションアップを図ることが必要である。
本稿では、SSOPマニュアル作成方法と維持管理のための定着検証・監査プログラムに触れ、SSOPの運用と定着について解説する。
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