第135回EQMセミナー 『クリーンルームにおける環境微生物管理プログラムの考え方』

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EQMセミナー情報EQM Seminar Information

医薬・医薬品・食品工場・食品流通対象

第135回EQMセミナー
『クリーンルームにおける環境微生物管理プログラムの考え方』

   医薬品/医療機器の製造は、高度な空調設備を有して微生物管理が求められるクリーンルーム内で行われます。内部は気密性が高く清浄な空気で陽圧管理されますが、人/物の出入り、原材料や水の飛散、建材劣化などにより、汚染が蓄積することは避けられません。蓄積した汚染は、微生物制御を目的とした「清浄化及び消毒」作業により定期的に除去する必要があります。
  「清浄化及び消毒」の効果は「環境微生物モニタリング」により測定されます。「無菌医薬品製造に関する指針」ではモニタリング結果について①要求される基準の管理、②環境の悪化を事前に把握、③清浄化・消毒作業の継続的評価に用いることの記述があります。基準値逸脱の有無だけでなく、併せて菌叢確認や傾向分析を行い、管理状況の評価と改善につなげることが重要になります。
  このようにクリーンルーム内における環境微生物管理は、「清浄化及び消毒」と「環境微生物モニタリング」について密接に関連付けた考察を行い、「環境微生物管理プログラム」として構築、運用していくことが求められます。
  今回は「環境微生物管理プログラム」の構築について必要な具体的項目、特に「清浄化及び消毒」と「環境微生物モニタリングの考察」を中心に解説します。

EQM セミナー スケジュールEQM Seminar Schedule

  時間 内容 講師
1 13:00~13:40 環境微生物管理と清浄化及び消毒の関連性 小山 和博
2 13:40~14:10 清浄化及び消毒の基本 用具/動作
3 14:20~15:10 環境微生物モニタリングと分類/同定
4 15:15~16:00 傾向分析による管理プログラムへのフィードバック
~ 環境微生物管理プログラムの考え方 ~
5 16:00~ 質疑応答

講演要旨Abstract Of Lecture

1)環境微生物管理と清浄化及び消毒の関連性

  クリーンルーム内の環境を清浄に保つには、微生物を除去するための「清浄化及び消毒」の実施と、管理状況を総合的に評価し続ける「環境微生物モニタリング」による検証の2つが必要となります。それぞれ単独で運用するのみでは機能しません。しかし、現場では異なる部門により実施されることが多く見受けられます。「無菌医薬品の製造に関する指針」を中心として両者を関連性付けて運用する重要性について解説します。

2)清浄化及び消毒の基本 用具/動作

  クリーンルームの「清浄化及び消毒」において最も大切なことは、従事者による作業目的と工程の理解です。目に見える汚れが少ない空間では作業効果を直ちに視認することが難しいため、ひとつひとつの作業について基本動作を確実に行うことが求められます。微生物制御を目的として汚染の拡散を最小限に抑えた基本動作を中心に解説します。なお、資料は基本ポイントを明確に、動画や写真を入れて分かり易くまとめてございます。

3)環境微生物モニタリングと分類/同定

   環境微生物モニタリングは対象エリアの汚染度を把握するために重要な項目です。モニタリング結果は「要求される基準の管理」に加え、「環境の悪化を事前に把握」、「清浄化・消毒作業の継続的評価」のためにも考察を行うことが必要です。このためには、定点の定期測定に加え、潜在的微生物負荷量を対象とした測定を組み合わせることが有用になります。また、検出菌株の分類/同定試験を行うことで更に情報を引き出すことが可能です。微生物モニタリング設計の考え方と、一般的な微生物取扱い施設において実施可能である細菌の表現型に基づいた分類手法を解説します。

4)傾向分析による管理プログラムへのフィードバック

  検出される微生物の傾向分析は、クリーンルーム内の環境を適正に維持していく上で貴重な情報です。この情報の蓄積により異常へとつながる要素を事前に検知し、要因調査や改善を行うことが可能となります。グレード別の微生物検出比率、クラスター解析などの事例による傾向分析と管理プログラムへのフィードバックの事例を紹介します。


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