第143回EQMセミナー 『食品工場における施設設備の維持管理』

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EQMセミナー情報EQM Seminar Information

食品工場・食品流通業対象

第143回EQMセミナー
『食品工場における施設設備の維持管理』
– 製造環境由来の危害を制御するためのメンテナンスプログラムとサニタリーデザイン -

   食品工場における製造環境は製品にとっての副原料であり、製造環境管理は製品の品質を保証する上で欠くことのできない項目です。汚染防止を構造として組み込んだサニタリーデザインと、予防維持的なメンテナンスプログラムを構築することにより、製造環境に由来する製品への危害を制御していく必要があります。 本セミナーでは、製造環境管理の中でも重要な位置を占める「空調設備」と「施設設備のサニタリ ーデザイン」に焦点を当てて開催します。微生物的な汚染の制御にも深く関連する空調設備は、目的に適合した構造機能の設定と、設備能力を維持していくための管理プログラムが不可欠です。また、施設設備のサニタリーデザインは、長期的な視野で効率的な製造環境管理を進めていくための重要な要素です。いずれも具体的な管理事例などを含めて解説します。 

EQM セミナー スケジュールEQM Seminar Schedule

  時間 内容 講師
1 13:00~13:45 製造環境管理の進め方 伊藤 壽康
2 13:50~15:30 空調換気設備の整備とメンテナンスプログラム 島田 秀信
3 15:40~16:45 施設設備のサニタリーデザインと管理プログラム事例 伊藤 壽康

講演要旨Abstract Of Lecture

1)製造環境管理の進め方

  製品と製造機器類をとりまく製造環境は、時として製品の品質に大きなダメージを与えることがあ る。HACCP プランを成功裏に機能させるためには、必ずその前提条件(PRPs)が必要とされるの は、まさにこのことを示している。製造環境の管理項目は、施設・設備などのハード面、手順書やモ ニタリングなどのソフト面、行動規範や教育などのヒューマン面と多岐にわたっており、これらを統 合的に管理運用する仕組みが重要である。 本セッションでは、製造環境管理の基本的な考え方を示すとともに、管理基準と診断・評価、管理 プログラムの作成と運用など、製造環境管理の仕組みづくりについて解説する。

2)空調換気設備の整備とメンテナンスプログラム

  食品工場における空調換気設備は、単に温度を維持するだけでなく、製品への異物混入防止や微生物の二次汚染防止に重要な役割を果たしている。充填エリアなどでは、高性能なフィルターを備えた空調設備が設置される例が多いが、給排気バランスが適正でないために汚染が侵入しやすかったり、ライン変更等により清浄度が低下していたりすることがある。

  また、多くの製造室では有機物を含む粉塵等の負荷も高いため、空調換気設備のメンテナンス不足 によって風量低下、結露の発生、塵埃の堆積などを招いている事例も多い。時には、メンテナンス作 業自体の不適正が原因で、異物混入が発生したり、汚染要因となってしまう場合もある。 本セッションでは、食品工場における空調換気設備の改善例と、管理プログラムの整備、リスクマ ネジメントに基づくメンテナンスについて、事例をあげて解説する。

3)施設設備のサニタリーデザインと管理プログラム事例

   施設・設備のサニタリーデザインは、効果的な製造環境管理を効率的に進めていくための基盤とな る。新築やリニューアル時だけでなく、既存の工場においても重要度の高い項目から徐々にサニタリ ーデザイン化を進めていく必要がある。サニタリーデザイン化を進める際に重要なのは、製品の製 造・加工特性から求められる機能要求を満たす具体的な構造基準を作成することである。 また、構造に落とし込んでも運用が不十分であると期待する機能が発揮できないため、洗浄やメンテナンスなどの管理プログラムも欠かせない要素である。 本セッションでは、施設・設備のサニタリーデザインについて、内装や出入口設備など構造基準、 それらの管理プログラムや運用方法、また具体的な改善事例などを含めて解説する。


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