第150回EQMセミナー 『食物アレルゲンコントロールプログラムの運用』

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EQMセミナー情報EQM Seminar Information

食品工場・食品流通業対象

第150回EQMセミナー
『食物アレルゲンコントロール®プログラム』

  現在、日本における食物アレルギー患者の正確な数字は把握されておりませんが、全人口の1~2%程度と言われています*)。食物アレルギー表示制度は、アレルギー患者が食品表示を確認し、健康危害を事前に回避する目的で施行されました。このため、食品取扱施設は食品表示の信頼性が求められます。
  食物アレルゲンコントロールは工場の施設と構造、機械の配置、動線、そして製品特性を十分に把握し、確実にコントロールできる方法を決定します。その中で洗浄と清掃が特に重要で、製造機械・環境の適切な洗浄計画が不可欠です。また、食物アレルギー表示制度の意味を理解し、病院、患者、食品工場そして教育機関が協力する体制をつくり上げることが重要になります。
  今回はEQMセミナー150回特別企画とし、お二人の専門講師をお招きいたしました。食物アレルギー表示制度の理解、コントロールの考え方、そして実践までを紹介いたします。皆様の参加をお待ちしております。


 *) 消費者庁,平成22年3月改訂,アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック,2pp.

2011年7月5日(火):東京会場

EQM セミナー スケジュールEQM Seminar Schedule

  時間 内容 講師
1 10:00~11:45 食物アレルギー表示制度の課題と今後の取組み 順天堂大学 医学部
公衆衛生学教室
医学博士 堀口逸子先生
2 13:00~15:15 食物アレルゲンコントロールプログラム 津田 訓範
2-1 13:00~13:30 食物アレルゲンコントロールプログラムの導入
2-2 13:30~15:00 製造工程における食物アレルゲンコントロール
2-3 15:00~15:15 定着のための監査と教育
3 15:30~16:45 永谷園における特定原材料不使用商品対応の実際 (株)永谷園
品質保証部
品質保証室長 増田尚弘氏

講演要旨Abstract Of Lecture

1)食物アレルギー表示制度の課題と今後の取組み

  アレルギー表示は、リスク情報すべてを伝えることはできないまでも、食物アレルギー患者には、場合によっては生死にかかわるリスクについて警告する重要なリスクコミュニケーションの道具のひとつと考えられます。どのような課題があるのか等、相互理解を深めともに考えていきたいと思っています。

【講師紹介】

順天堂大学 医学部 公衆衛生学教室 医学博士 堀口 逸子先生

平成8年長崎大学大学院医学研究科博士課程社会医学系公衆衛生学専攻修了(医学博士)
平成9年長崎県佐世保市保健福祉部非常勤嘱託、国立公衆衛生院(現国立保健医療科学院)疫学部客員研究員などを経て、平成13年順天堂大学医学部助手、平成19年より助教。
平成16年厚生労働省・農林水産省「期限表示設定のガイドライン策定検討会」委員、平成20年より農林水産省「コミュニケーション推進会議」委員、平成21年東京都食品安全情報評価委員会「食肉の生食による食中毒専門委員会」委員、平成21年より食品安全委員会リスクコミュニケーション専門部会専門委員

2-1)食物アレルゲンコントロールプログラムの導入

  食物アレルゲンコントロールプログラムを導入するためには現状の評価が必要です。そして問題点を明確にして改善をおこなうための適切な方法を立案していきます。導入方法について説明いたします。

2-2)製造工程における食物アレルゲンコントロール

  食物アレルゲンコントロールは、製品特性、ラインの構造を把握し、コントロールすべきポイントを明確にする必要があります。そして汚染防止方法を組み合わせていきます。このセッションでは、原材料の区別、生産計画、ラインの専用化、そして洗浄設計について解説、コントロールの考え方の理解を深めます。

2-3)定着のための監査と教育

  運用と定着を進めるためには食物アレルゲンコントロールプログラムが適切に運用されているかを定期的に確認する必要があります。このためには監査を実施し、PDCAサイクルを運用することが不可欠です。定着と運用を確実にするための監査と教育について解説します。

3)永谷園における特定原材料不使用商品対応の実際

  永谷園では平成14年以来、一般小売店で販売可能な特定原材料不使用商品を製造販売しています。
これらの商品についてどのように考え、どのような仕組みで商品開発を行っているのか?また、実際の現場ではどのような管理を実施しているのかをご案内いたします。

【講師紹介】

株式会社永谷園 品質保証部 品質保証室長 増田 尚弘氏

㈱永谷園に入社以来、品質管理部門で各工場の品質管理業務、海外原材料の管理、外食関連の衛生管理などに携わる。 02年、品質保証部が新設され、以降、品質保証室長を務める。09年より、ISO9001の品質マニュアルにISO22000の要求事項を盛り込んだ永谷園独自の品質保証システムNAFSAS(Nagatanien Ajihitosuji Food Safety Assurance System)を立ち上げ、より高度な品質保証体制の構築を目指している。


注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。