食品工場・食品流通対象
時間 | 内容 | 講師 | |
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10:00~10:45 | 生体異物の回収事例 | 谷 壽一 | |
1 | 10:45~12:00 | 防虫対策の最近の動向~昆虫類を管理するとは~ | 谷 壽一 |
2 | 13:00~14:00 | 制御法の事例と費用有効度 | 伊藤 壽康(東京・静岡) 尾池 泰英(大阪) |
3 | 14:00~15:45 | 生体由来異物の分析手法 | 伊藤 壽康 |
4 | 16:00~16:50 | クレームからの分析とトレンド解析 | 伊藤 壽康 |
毛髪と昆虫類などの生体由来異物は今なおクレームの上位を占めており、場合によっては製品回収も含めた対応の検討を迫られる。しかし、回収実施の判断は想定される健康危害などの科学的な根拠に基づくことが原則のはずである。日本における食品、医薬品、化粧品の生体由来異物の回収事例の詳細と海外の比較などを紹介する。
2006年5月に食品の残留農薬基準にポジティブリスト制度が導入され、工場においても殺虫剤に頼らない「レスケミカル」が重要な要素となってきている。
生体由来異物の混入クレームが発生した時、その製品が製造された環境や状況がどうであったか、つまり、昆虫類や毛髪が管理されていたかを追跡する必要がある。しかし、現状では月1回のモニタリングと防除記録のみのことが多い。モニタリングで捕獲される昆虫のデータは何を示す数字であるのか、例えばライト捕虫器では飛翔する成虫が捕獲されるが、ライフステージの中では最も個体数が少ないステージである。チャタテムシなどの内部発生の場合は幼虫期の餌の量で発生数が決定されるので、この餌の除去が防除適期である。管理されていることを裏付けるためには、モニタリングから改善へのPDCAフローが確立しており、改善が確実に実施され、そのアクションの記録が残されていることが大切である。また、この一連の流れの手順書を整備することも必要である。これら工場での管理体制と異物からの情報の両者から原因と工程を推察していくことができる。ここでは工場での昆虫類の管理体制について述べる。
昆虫類の管理については、調査で使う費用と対策で使う費用があり、これらの費用に対して期待された効果が得られたか数値(昆虫類の捕獲数や混入クレームなどの減少)で確認することが重要である。効果が不明確な対策をくり返し行なうよりも、発生要因に直結した恒久的な対策をとることでコスト削減も可能となる。工場で問題となる主要な昆虫類を対象として、具体的な防虫対策とその効果について実例を交えて解説する。
昆虫異物の分析を進めるにあたって重要なことは、「昆虫の異物」としての特性をよく認識することである。昆虫は他の異物とは異なり、能動的に活動する動物であり、種類によっても生理・生態、行動様式や生息場所まで異なる。まず種類を同定することが最低限必要である。また、虫体の保存状態や混入の状態からは混入時の状況に関する情報が得られ、虫体を取り巻く製品や包装には昆虫の生息していた痕跡が残っている可能性がある。いずれも、昆虫の生理・生態などの情報に基づいた確認すべきポイントが存在する。昆虫異物の事例なども含めて、分析に際して重要となるこれらの確認すべき項目と、それにより引き出せる情報について説明する。
生体由来異物分析の目的は、不具合発生の原因と工程を特定するための情報を可能な限り科学的根拠をもって得ることである。製造工程中か、物流保管及び移動期間中か、店頭陳列時か、あるいは消費者の家庭で混入したのかなどを得られる情報から判断する必要がある。生体由来物混入時の回収の判断のためには、混入工程を明らかにすることが不可欠である。また、原因が明らかであれば再発防止措置のアクションをとることができる。ここでは、一連の分析手順や分析手法を基にして、混入要因を特定するための考察の流れについて述べる。また、食品や医薬品などに生体由来物が混入する様々なケースを想定し、仮説の設定と分析結果からの判断のフローチャートを紹介する。
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