第174回EQMセミナー 『食品工場のリスク管理・危機管理を巡って』

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EQMセミナー情報EQM Seminar Information

食品工場・食品流通業対象

第174回EQMセミナー
『食品工場のリスク管理・危機管理を巡って』
  食品工場で発生しうるリスクには従業員で管理できるものとできないものがあり、従業員で管理できないリスクとして原材料の管理があります。原材料は納品時に目視確認や温度測定は可能ですが、病原微生物の汚染、化学物質や食物アレルゲンの混入などは簡単に確認することができません。このため、事前に品質確認を行い、安全な原材料を納品することが重要です。
  クレーム対応の体制もリスクを管理する上で重要な課題です。消費者からクレームが発生した場合、クレームの原因究明と迅速な対応を図らないと企業の信頼を失う結果となります。また、クレーム内容から消費者に重篤な被害の発生が想定される場合には、リコールプラン(回収計画)を発動し、消費者保護と自社の経済的損失を最小限にする組織的な活動が不可欠です。
  今回のセミナーでは、フードディフェンスの考え方、原材料の供給者管理、顧客クレーム発生時の対応、そしてリコール発生時の迅速対応など、食品工場のリスク管理・危機管理に焦点をあてて説明いたします。体系的な品質保証・リスクマネジメントの構築を検討されている皆様方に最適なセミナーです。ご参加をお待ちしております。

2014年10月22日(木):大阪会場
(大阪研修センター江坂/地下鉄御堂筋線江坂駅 徒歩1分)

13:00~16:45
会費:¥8,000-

EQM セミナー スケジュールEQM Seminar Schedule

  時間 内容 講師
1 13:00~13:30 フードディフェンス(食品防御)の考え方 伊藤 壽康
2 13:30~14:20 供給者の管理方法 津田 訓範
3 14:20~15:30 クレーム対応の手順とマネジメントシステム 伊藤 壽康
4 15:45~16:45 リコールプラン(回収計画)の構築と模擬リコール 津田 訓範

講演要旨Abstract Of Lecture

1)フードディフェンス(食品防御)の考え方

  昨年末に発生した冷凍食品への農薬混入事故を受け、フードディフェンスの重要性がクローズアップされています。フードディフェンス(食品防御)は、2001年の米国同時多発テロを契機として、バイオテロ対策の1つとして欧米で導入が進められてきました。北米や欧州での取り組みを中心に、フードディフェンスの考え方について説明します。

2)供給者の管理方法

  原材料は工場納品時に全ての品質を確認することはできません。このため、予め工場の品質基準に合った原材料のみを納品する必要があります。
  カナダFSEPのHACCPプランには10種類の様式があり、様式9は「従業員が管理できない危害」です。この項目のほとんどは原材料の供給者と流通が該当します。このセッションでは、カナダの供給者管理のSQA(Supplier Quality Assurance)プログラムを説明、供給者管理について理解します。

3)クレーム対応の手順とマネジメントシステム

  リコールなどの重大事故が起きる場合も、企業が最初に問題を認識するのは苦情の申し出であることがほとんどです。平常時にクレーム対応の手順が適切に運用されていることは、リスクマネジメントにおける不可欠の要素です。クレームの受付から初期評価、原因の調査や対応方法の決定など、顧客重視の対応方針に基づいて明確に規定してく必要があります。またクレーム対応のプロセスは、トップマネジメントのコミットメントを基に、各部門の責任と役割を明確にしてPDCAの仕組みで運用していく必要があります。
  このセッションでは、ISO10002「組織における苦情対応のための指針」を参考としながら、クレーム対応の手順として備えるべき要件とそれらの運用方法について解説します。

4)リコールプラン(回収計画)の構築と模擬リコール

  リコール(回収計画)は、リスクマネジメントの重要な1項目です。リコールが必要となった場合には、直ちにリスク評価を行い、対象製品を一刻も早く市場から回収しなければなりません。最も重要なのは、消費者の健康危害を最小限に食い止めること、そして会社の経営に対する損害も極小化することです。
  このセッションでは、CFIA(Canadian Food Inspection Agency)のリコールプランを参考に、リコールチームの編成からリコールの終了までの流れと、模擬リコールによる訓練を中心に解説します。


注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。