医薬品・医療機器・再生医療等製品・医薬部外品・化粧品工場対象
時間 | 内容 | 講師 | |
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1 | 10:00~12:00 | 昆虫類管理プログラムの構築と防虫管理のリスクアセスメント | 谷 壽一 |
2 | 13:00~14:45 | 昆虫モニタリングの方法と妥当性 モニタリングの妥当性/モニタリングデータの活用 |
伊藤 壽康 |
3 | 15:00~16:45 | 管理基準値の妥当性 | 伊藤 壽康 |
昆虫の管理は自主管理が基本である。まず、妥当性のある防虫計画が必要である。製造環境での昆虫管理は微生物の汚染源とならないことと、異物として混入しないように管理すること。そして管理されていることの証明ができることである。管理とは昆虫モニタリングのデータが生かされ、問題があったときに是正措置が取られ、その後予防措置が講じられて、記録が残っていることが重要である。
最近、国内の医薬品製造施設への査察では昆虫類の「モニタリングの妥当性」「管理基準値の妥当性」について聞かれることがある。本来、このような妥当性は学問上の問題であり、単一の製造現場で単純に決定できるものではないが、リスクアセスメントの面では重要な要素である。昆虫管理で必要となる要素の全体像を確認するとともに、防虫管理のリスクアセスメントとして重要な課題について説明する。
モニタリングはあくまでサンプリング調査であり、一定期間の定点ポイントによる任意抽出でしかない。たまたま通りかかった個体が捕獲されるのであって、その個体がどこから来たか、なぜそこに来たのか(発生源と発生要因)が混入のリスクを評価するためには重要であるが、モニタリングの結果自体はそうした意味を持ち得ない。つまり、モニタリングでの捕獲はあくまで発生(生息)の予察であり、それに基づいて実施される後追い調査が本質的な意味を持つ。各種の調査方法の意味と関連を確認しながら、リスクアセスメントとして重要なモニタリングの妥当性とデータの有効活用について説明する。
昆虫管理の基本はゾーニングと対種防除の組み合わせといえる。各ゾーン区分で必要とされる清浄度やそこで行われる工程の種類に応じて、区分ごとに昆虫類を分析し動態を捉え、管理基準値の設定を行う必要がある。管理基準値には最大値と平均値の管理があるが、昆虫類は集中分布をするので最大値管理をすることが望ましい。多くの工場で実施した調査の集計結果も踏まえながら、管理基準値の妥当性について説明する。
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