第219回EQMセミナー 『昆虫動態バリデーション®』~リスクマネジメントの視点からの構築~1.防虫管理の基礎

TOP > セミナー・論文紹介 > EQMセミナー・手術部セミナーのご案内 > EQMセミナー実績 > 第219回EQMセミナー 『昆虫動態バリデーション®』~リスクマネジメントの視点からの構築~1.防虫管理の基礎

EQMセミナー情報EQM Seminar Information

医薬品・医療機器・再生医療等製品・化粧品・医薬部外品工場対象

第219回EQMセミナー
昆虫動態バリデーション®』~リスクマネジメントの視点からの構築~
1.防虫管理の基礎
  医薬品・医療機器工場では、2000年の医薬発237号で「医薬品等の回収の基本的考え方」が通知されてから、生体由来の異物、つまり昆虫と毛髪管理が強化されてきました。2006年7月に発出された「無菌操作による無菌医薬品の製造に関する指針」では、効果的かつ安全な昆虫類管理プログラムの確立が求められています。医薬発237号は、2014年11月に「保健衛生上問題が生じないことが明確に説明できない場合は回収すること」と改正されましたが、生体由来異物が衛生管理などの点で疑念を生じさせることに変わりはないものと考えられます。一方で、PIC/SやQMSなど国際的な規格基準への準拠が進んでおり、リスクに基づく考え方に重点を置いたQMSに沿った運用の重要性が高まっていると言えます。また、2006年5月には食品の残留農薬基準にポジティブリスト制度が導入され、工場においても殺虫剤に頼らない「レスケミカル」が重要な要素となってきています。
  こうした中、『現状の防虫管理は有効に機能しているのか?』、『リスクに重点を置いた仕組みになっているのか?』など、再構築を考えられている方も多いと思います。まず昆虫管理の基本を押さえること、そして自社が主体となって運営する自主管理へ進めていくこと、これらが重要な鍵になると考えます。昆虫類管理で必要となる要素の全体像を確認し、基本的な進め方について紹介します。

    医薬品・医療機器・再生医療等製品・医薬部外品・化粧品工場の防虫担当者
    これから昆虫管理を強化・再構築をしようとされている方・・・ぜひ、ご参加下さい。


2019年4月23日(火):東京会場
本社常設セミナールーム(JR線・都営新宿線・東京メトロ丸の内線 新宿駅)
2019年4月19日(金):大阪会場
(JEC日本研修センター 江坂/大阪メトロ 御堂筋線 江坂駅)

10:00~16:45
会費:¥20,000-

EQM セミナー スケジュールEQM Seminar Schedule

  時間 内容 講師
1 10:00~12:00 医薬品・医療機器工場の昆虫管理の進め方
~ 防虫管理のリスクマネジメントプロセス ~
伊藤 壽康(東京)
谷    壽一(大阪)
2 13:00~14:45 昆虫モニタリングの方法と解析
~ 原因究明と改善までのフロー ~
國定 勝博(東京)
岸    晃平(大阪)
3 15:00~16:45 昆虫防除の基礎
~ 生態学的な防除と殺虫剤の問題点 ~
伊藤 壽康(東京)
中川    禎(大阪)

講演要旨Abstract Of Lecture

1)医薬品・医療機器工場の昆虫管理の進め方
    ~ 防虫管理のリスクマネジメントプロセス ~

昆虫の管理は自主管理が基本である。まず、妥当性のある防虫計画を立てること。しかし防虫管理の計画が、モニタリングと殺虫剤散布だけであることもある。製造環境での昆虫管理は微生物の汚染源とならないことと、異物として混入しないように管理すること。そして管理されていることの証明ができることである。管理とは昆虫モニタリングのデータが生かされ、問題があったときに是正措置が取られ、その後予防措置が講じられて、記録が残っていることが重要である。
  防虫管理もリスクマネジメントの視点で構築していくことが重要となってきている。しかし、「昆虫のリスクとは何か?」を明確にしないと、リスクマネジメントそのものが成り立たなくなってしまう。昆虫管理で必要となる要素の全体像を確認するとともに、リスクマネジメントプロセスに則った進め方について紹介する。

2)昆虫モニタリングの方法と解析   ~ 原因究明と改善までのフロー ~

昆虫管理における重要なポイントは、モニタリングの結果から「いかにして素早くPDCAサイクルのフローを回し、継続的な改善を行うか」である。前提としては、まず妥当性のあるモニタリングの設計が重要であり、定期モニタリングの設計と問題発生時のモニタリングの設計基準が必要である。またモニタリング結果の「解析・評価」は、以降のアクションの方向性を決定付ける主要因であり、昆虫の種類ごとの生理・生態、各製造環境での発生特性を熟慮した「評価の基準」を設定しておくことが重要である。「種類別の改善のフロー」は、これまでの様々な問題発生事例も取り込んだこれらの基準に基づき構築される。
  昆虫モニタリングの実施方法、解析と評価の基準、対種別の改善のフローについて解説する。また特に重要なのは問題発生時の原因究明であり、その方法として実施する種々の調査方法についても説明する。

3)昆虫防除の基礎 ~ 生態学的な防除と殺虫剤の問題点 ~

昆虫類を制御するためには、防除だけでなく環境を操作する必要がある。建物内の昆虫管理においては効果が一過性となりやすい化学的防除に頼るのではなく、物理的防除、環境の物理的操作、昆虫類の行動操作を併用して、生態学的なアプローチにより長期的に制御できる仕組みを作ることが重要である。殺虫剤に関しては、欧米ではケミカルハザードとして特に1990年代以降、精力的な健康リスクの再評価と規制の強化が進んでいる。製造施設で使用する防疫用殺虫剤についても、こうした動向を踏まえて基礎的な知識と問題点を把握しておく必要がある。昆虫防除についての基本的な考え方と殺虫剤の問題点について説明する。


注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。