第75回EQMセミナー 『飲料の充填室の防虫・防カビ対策と洗浄』

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EQMセミナー情報EQM Seminar Information

食品工場・食品流通業対象

第75回EQMセミナー
『飲料の充填室の防虫・防カビ対策と洗浄』

  飲料は比較的密閉系の設備(配管ライン)が多いですが、殺菌以降で唯一開放系になる部分が充填室です。充填室内で想定される危害を明確にし、制御することが重要と考えられます。多くの飲料工場では、この部分はクリーンブース化やクリーンルーム化を図り、衛生性の確保に努めておりますが、その維持管理、環境管理ができて初めて継続的にその機能を十分に発揮することができます。
  飲料の充填室では、CIPを中心とした洗浄殺菌などに共通する比較的類似した生産ラインであり、そこでの問題点も共通するところがあります。例えば、蒸気殺菌に使用する蒸気によるカビの発生やそこから派生する食菌性昆虫のチャタテムシの発生などがあげられます。
  そこで、このセミナーでは、実際に飲料充填室内の機械器具、充填環境で起こりやすい昆虫の内部発生やカビに対しての制御法、及びその対策を具体的な事例を交えて解説致します。


2004年5月18日(火):東京会場
本社常設セミナールーム( JR線・都営新宿線・地下鉄丸の内線 新宿駅 )
2004年5月21日(金):大阪会場
千里ライフサイエンスセンター(北大阪急行 千里中央駅)

10:00~16:45
会費:¥30,000-

EQM セミナー スケジュールEQM Seminar Schedule

  時間 内容 講師
1 10:00~11:00 飲料の充填室の特性と課題 辰口    誠
2 11:00~12:30 飲料の充填室の昆虫管理 伊藤 壽康(東京)
尾池 泰英(大阪)
3 13:30~15:30 飲料の充填室における機器類の洗浄殺菌と環境管理 津田 訓範
4 15:45~16:45 定着のための教育と監査 辰口    誠

講演要旨Abstract Of Lecture

1)飲料の充填室の特性と課題

  近年、食品業界を取り巻く環境は、急速に変化しており、食品行政の対応も変化しつつあります。例えば、本年食品衛生法が改正され、「総合衛生管理製造過程」の更新制度が導入され、今後生産設備の維持管理が重要視されると考えられます。そのような中、飲料充填室の維持管理は、その生産品の衛生性を確保する上で重要な要素といえます。
  そこで、このセッションでは、食品業界の取り巻く動向、飲料充填室内の品目ごとの特性、充填環境の重要性などの理解を深め、更に飲料充填室に共通する課題などについて解説致します。

2)飲料の充填室の昆虫管理

  飲料工場の充填室で問題となる昆虫類については、その多くが共通種であり、同様な要因による侵入事例、発生事例が多い。したがって、飲料工場の充填室に共通する昆虫類の生態を踏まえ、充填室への侵入昆虫の低減策や内部発生性昆虫類の対策を立案していくことが重要となります。
  また、モニタリングについては調査方法の妥当性が検証されておらず、異物混入となりうる可能性が高い場所での昆虫類の生息確認や実際に昆虫類が生息している場所の特定がなされていない場合があります。特に発生場所が特定できない場合には殺虫剤に頼るケースが多い。
  飲料充填室で問題となる昆虫類の生態からその調査方法を解説し、具体的な解決事例として洗浄、カビ対策、設備・構造改善事例を紹介いたします。また、モニタリングから改善のPDCAサイクルを運用するための方法についても説明いたします。

3)飲料の充填室における機器類の洗浄殺菌と環境管理

  飲料の充填室で異物混入(昆虫等)や微生物汚染が発生した場合、後工程において危害を除去することが困難です。そのため、通常の製造室と異なり、レベルの高い管理が必要です。製造機器では、CIPに加え、充填ノズルなどの分解洗浄、メンテナンスを定期的に行う必要があり、製造環境では、充填機周辺の衛生管理(残渣等の発生防止)と、空気管理(微生物)を行うことがポイントです。
  本稿では、充填室で発生する危害を防止するための製造機器の洗浄方法、環境管理方法について説明し、管理するための仕組みについて解説いたします。また、SSOPにも触れ、作成方法についても明確にいたします。

4)定着のための教育と監査

  充填室の衛生性を確保するためには、「定められたこと、決めたこと」を確実に実施することにあり、そのためには、常に定着を図るための教育(OJT、OFF-JT)を繰り返し実施し、客観的な監査をすることにあります。これらは、定着を進める上でのPDCAサイクルの一環ととらえ、継続的に実施することが重要です。すなわち、監査=教育といえます。
  そこで、このセッションでは、実際に定着させるために必要な教育、そして監査について具体的な事例を交えて解説致します。


注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。