医薬品・医療機器対象
時間 | 内容 | 講師 | |
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1 | 10:00~12:00 | 医薬品工場における昆虫の管理計画 -食菌性昆虫と真菌汚染- |
谷 壽一 |
2 | 13:00~15:30 | 昆虫の環境指標性と食菌性昆虫防止対策のフロー -発生特性と対策事例- |
伊藤 壽康(東京) 岡本 美佐子(大阪) |
3 | 15:45~16:45 | クリーンルームの洗浄殺菌 | 鳴海 徹 |
昆虫がクリーンルームに生息していることは事実です。昆虫を管理下に置くとはどのような管理なのか。まず、昆虫の管理は自主管理が基本です。モニタリングと殺虫剤散布ではないことは明らかです。
製造環境での昆虫管理は微生物の汚染源とならないことと、異物として混入しないように管理すること。そして管理されていることの証明ができることです。管理とは昆虫モニタリングのデータが生かされ、問題があった時に是正措置が取られ、その後予防措置が講じられて、記録が残っていることが重要です。そのためにも自主でモニタリングの同定をして、改善を進める必要があります。
クリーンルームでは塵埃や真菌に由来する昆虫が優占しますが、時におびただしく発生し、製造を中止して対策をとらざるを得ない状況が起こります。問題となる昆虫はコナチャタテ科とヒメマキムシ科であり、壁の中や天井裏に発生した真菌を原因とした異常発生が大半です。これらの昆虫は、体表に102~104の真菌を付着させており、クリーンルームの微生物負荷量の増大という点でも大きな問題となります。
人が動き、物が動き工場の環境が変化するなかで、埃の堆積、清掃の状況、真菌の発生などで昆虫の動態が変動します。日常、週、月、年でどのような管理が必要なのか、項目の抽出と管理方法を決めていくことが大切です。医薬品工場における昆虫管理の進め方と、食菌性昆虫の真菌汚染についてご紹介します。
クリーンルーム内に生息する昆虫の中で、食菌性昆虫は圧倒的に優占しています。昆虫異物の混入を防止するためには、これらの食菌性昆虫の種類と生態を熟知することが重要です。
食菌性昆虫としては、噛虫目のコナチャタテ科と甲虫目のヒメマキムシ科が最も多く発生しますが、時に噛虫目の有翅のチャタテムシ類やトビムシ類、ダニ目などが問題となることもあります。各々の生態や発生特性には共通点と相違点があり、これらの正確な同定がまず必要となります。また、捕獲結果を評価し、原因究明を行い、改善対策を立案・設計し、効果判定を行う場合にも、これらの発生特性を考慮した検討が必要です。
対策としては、構造面での改善、真菌対策、殺虫剤の使用などが考えられますが、製品の生産にも影響を及ぼす可能性があるため、これらの選択は重要な課題といえます。
クリーンルームにおける食菌性昆虫の発生と対策の事例を踏まえて、これらの防止対策のフローについて紹介します。
クリーンルームの環境微生物制御を考える上で重要なのは、対象となる汚れや微生物の種類や状態と、それを除去するのに必要な洗浄・殺菌作業の仕様と効果を明確にすることです。
多くの微生物は埃や汚れなどを担体として存在しているため、これらを確実に除去することが微生物制御の効果と清浄度の維持には欠かせない要素となります。埃を除去し、汚れを洗浄することによって、環境に存在する微生物を回収することが、洗浄・殺菌の重要な鍵となります。
除塵・洗浄・殺菌といった各々の作業工程の効果を評価することによって、日常的に実施する作業と定期的な作業の仕様の適切な組み合わせを設計することができます。またこれにより、過剰な殺菌剤の使用についても、再検討が可能になると考えます。クリーンルームの洗浄・殺菌の仕組みづくりについて紹介します。
注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。