第98回EQMセミナー 『無菌医薬品の製造区域の昆虫管理』

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EQMセミナー情報EQM Seminar Information

医薬品・医療機器対象

第98回EQMセミナー
『無菌医薬品の製造区域の昆虫管理』
  医薬品工場では、平成12年の医薬発237号で「医薬品等の回収の基本的考え方」が通知されてから、生体由来の異物、つまり昆虫と毛髪管理が徹底して強化されてきました。
  また今年は「無菌操作法による無菌医薬品の製造指針」が最新の知見や国際的な整合性を踏まえて作成、公表されます。防虫管理についても、効果的かつ安全なコントロールプログラムを確立することが求められています。
  無菌医薬品の製造区域において昆虫はモニタリングの対象とされていないことが多く見られますが、実際にはグレードBでも昆虫類が確認されています。約95%の昆虫が真菌を食べる昆虫類であることから、無菌医薬品の製造区域では防虫管理は微生物学的管理上からも重要であると言えます。
  本セミナーでは、無菌操作区域を持つ医薬品工場における昆虫管理の考え方をはじめ、管理基準値の科学的根拠、出現頻度の高い主要昆虫、問題発生事例の紹介、さらには環境衛生管理に関連する各項目について解説します。今後の昆虫管理や衛生管理の再構築をする上でも参考にしていただけると考えております。

医薬品・医療機器工場の無菌操作区域を保持する工場製造環境衛生管理責任者、品質保証担当者、防虫管理責任者の方に最適な内容となっております。ぜひ、ご参加ください。

2006年3月14日(火):東京会場
本社常設セミナールーム(JR線・都営新宿線・東京メトロ丸の内線 新宿駅)
2006年3月17日(金):大阪会場

千里ライフサイエンスセンター(北大阪急行 千里中央駅) 

13:00~16:50
会費:¥20,000-

EQM セミナー スケジュールEQM Seminar Schedule

  時間 内容 講師
1 13:00~14:30 無菌操作区域の昆虫類の生息状況と管理手法 谷    壽一
2 14:40~15:40 無菌医薬品製造区域で捕獲される昆虫類の同定と生態 國定 勝博(東京)
尾池 泰英(大阪)
3 15:40~16:50 無菌医薬品製造区域の昆虫類のモニタリングと発生時の対策 伊藤 壽康(東京)
岡本 美佐子(大阪)

講演要旨Abstract Of Lecture

1)無菌操作区域の昆虫類の生息状況と管理手法

  菌操作区域でも節足動物が生息する。生息する昆虫は1mm前後の微小な昆虫類で密度も低いために詳細な調査をしないと見落としがちとなる。しかし、時には異常に発生することがあり、この大半は真菌を食べている昆虫類で内部発生を繰り返している。これらの昆虫は体表面に真菌を付着させており、真菌汚染の原因にもなりうる 。
  無菌操作区域に生息する昆虫類の種類構成や施設ごとの出現頻度、分布様式などの生息状況について紹介する。また、医薬品工場での昆虫類のコントロールプログラムについて解説する。

2)無菌医薬品製造区域で捕獲される昆虫類の同定と生態

  無菌医薬品製造区域においては、出現する昆虫類の種類は限られている。コナチャタテ科、粘管目、ダニ目、ヒメマキムシ科といった壁裏、天井裏を含めた建屋内で発生する昆虫類が多くを占めており、特に真菌を餌とする昆虫類が優占種となる。中でもコナチャタテ科を含む噛虫目については29施設、延べ76回の調査において70%以上の高い頻度で出現しており、無菌医薬品製造区域において一般的に生息する昆虫とみなすことができる。
   本セッションでは、無菌医薬品製造区域で捕獲される昆虫類の同定方法とその生態について解説する。

3)無菌医薬品製造区域の昆虫類のモニタリングと発生時の対策

  無菌医薬品製造区域における昆虫の問題で最も多いのは、真菌を餌とする噛虫目コナチャタテ科である。本科の昆虫は、構造の問題からおこる結露・雨漏り・水漏れなどから発生するカビの二次的問題として、おびただしい数が発生し、クリーンルーム内に侵入する。これら微小な内部発生昆虫のモニタリング手法や、問題発生時の原因究明方法を解説する。また、事例を通して無菌医薬品製造区域をはじめとする清浄度の高いクリーンルームに要求される防虫構造、建築時に注意すべき項目や、種々の対策を実施した際に起こり得る製品汚染の具体的な防止方法について紹介する。


注* 当社と同業種、コンサルタント・個人の方のご参加はお断りしておりますので、予めご了承ください。