環境微生物制御プログラム

背景と課題Background And Issues

  医薬品/医療機器の製造は、高度な空調設備を有し微生物学的清浄度が保たれたクリーンルーム内で行われます。クリーンルーム内部は気密性が高く清浄な空気が循環し、外部からの汚染はハード的に遮断されます。しかしながら、人/物の出入り、生産活動による原材料や水の飛散、建材劣化などにより、汚染が発生・蓄積することは避けられません。蓄積した汚れや微生物汚染は「清浄化注)及び消毒」作業により定期的に除去する必要があります。
注)「清浄化」:清浄化とは清掃・洗浄など汚れや微生物を除去する作業を指します。
  「清浄化及び消毒」の効果は「環境微生物モニタリング」により測定されます。「無菌医薬品製造に関する指針」ではモニタリング結果について①要求される基準の管理、②環境の悪化を事前に把握、③清浄化・消毒作業の継続的評価に用いることの記述があります。基準値逸脱の有無だけでなく、併せて菌叢確認や傾向分析を行い、管理状況の評価と改善につなげることが重要になります。

環境微生物制御プログラムの特徴Features Of The Program

  効果的かつ効率的に環境微生物を制御するには、科学的根拠による「清浄化及び消毒作業」のプログラムの設計が必要です。そのためには製造環境の微生物負荷量を知る必要があり、付着菌・浮遊菌・浮遊微粒子調査により微生物の動態を把握することが重要です。 汚れやすい箇所を把握することに加え、どのような清掃方法や使用薬剤、作業工程が効果的に汚れ(塵埃)や微生物を除去できているかを確認します。
  微生物負荷量を把握するとともに管理対象項目を日常・定期に分類し、その組み合わせにより環境の清浄度を維持します。過剰に殺菌剤を用いるのではなく、汚れが蓄積しない、汚さない、また、すぐに除去することにより汚れと微生物を制御する仕組みを作ることが望まれます。
  また、構築した清浄化プログラムは作業ごとの工程間調査、環境バイオバーデン調査などにより効果を検証し、その内容を作業手順書にフィードバックします。手順書を定期的に検証・改善することにより、作業品質の安定化と継続的改善を図ります。
  弊社では、清浄化・消毒作業の実施、環境微生物の測定や環境微生物管理プログラムの作成をサポートいたします。

環境微生物制御プログラムのポイントPoints Of The Program

1)環境微生物診断と清浄化との考察

クリーンルーム内において環境微生物を管理下に置くためには「清浄化及び消毒作業」と「環境微生物モニタリング」の相互の考察が重要になります。

2)環境微生物管理プログラムの作成 

検出された微生物は分類同定や傾向分析を進めることで環境管理状態の検証を行うことが可能です。これを元にして、微生物制御を目的とした「清浄化及び消毒作業」の項目を組み立てて行くことにより「環境微生物管理プログラム」が構築されます。

3)プログラムの監査

品質管理部門と製造現場部門の連動をキーポイントとして、清浄化及び消毒作業の基礎、微生物モニタリングの設計・データの考察方法など、それらの管理プログラムの構築、既存プログラムの監査までをご用意いたしております。

商品構成
  • 日常清浄化・消毒作業
  • 清浄化作業作業用資材
  • 清浄化・消毒手順書の作成
  • 定期清浄化・消毒作業
  • 環境微生物検査
  • 現行プログラムの検証・監査
  • 特殊清浄化・消毒作業
  • 環境微生物測定検出菌の同定
  • 清浄化・消毒作業の教育・訓練
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