教育・訓練プログラム

食品製造・包装工場・食品流通業 教育・訓練プログラムEducation And Training

  セミナーの教育体系を明確にして教育プログラムの一環としてご利用いただけるように一新いたしました。カテゴリーを「基礎コース」「応用・対策コース」「技術・トレーニングコース」の3つに分類し、食品に対する危害別に各カテゴリーのプログラムをご用意しております。
  工場の管理者、品質管理担当者、従業員の皆様、各々の力量のステップアップ、問題解決への糸口などとして、目的別にご利用頂けますと幸いです。今後も「理論」と「実践」に基づき、食品製造現場に由来する具体的な問題解決に繋がるセミナーを企画・運営いたします。皆様方のご参加をお待ちしております。
  公開セミナーも定期的に開催しておりますので、ご興味のあるテーマがあればご参加ください。

1.基礎コース

基礎コースでは、食品衛生に関わる基本的項目と各々の危害対策の基礎を理解するためのセミナーをご用意いたしております。新入社員の教育プログラムの一環として、また品質管理部門の基礎教育などにご利用下さい。

1-1:5Sと個人衛生(クレンリネスの必要性)
食品衛生の出発点は、何よりもまず自分自身と自分の身の回りの衛生、すなわち5Sと個人衛生です。そして、その根本は「クレンリネス」です。食品の製造に携わる者としての最も基本的な要件について、基礎から平易に解説します。 1.5Sの重要性と意義
   ・・・クレンリネスの必要性
2.食品工場で求められる個人衛生
1-2:洗浄と殺菌の基礎(サニテーションの基本)
食品工場では、取扱う食品により、汚れの状態や微生物汚染は様々です。そのため、洗剤や殺菌剤の特性と性質を充分に理解して、適切な選定を行い、使用することが重要です。衛生管理の基礎となる洗浄と殺菌「サニテーション」について、科学的な理解を深めるとともに、実際の資材や使用方法を含めて解説します。 1.洗浄・殺菌方法の種類と特性
2.洗浄資材の用途と使い方
1-3:昆虫管理と異物混入防止対策の基礎講座
妥当性のある昆虫管理プログラムを運用するためには、問題となる昆虫の生態を知り、モニタリングデータを有効に活用して、製造環境の改善と効果確認につなげていく必要があります。また毛髪やその他の様々な異物の混入は、個人衛生や5S、製造環境の整備と密接に関連しています。昆虫管理や毛髪管理の基本的な進め方を理解し、異物混入を防止していくための基礎講座です。 1.食品工場における昆虫管理の進め方
2.問題となる昆虫の種類と生態
3.昆虫の防除方法
4.毛髪対策の基礎と管理方法
5.異物混入防止と5S・製造環境管理
1-4:食品微生物危害の基礎
食品における微生物事故は様々な菌種によって引き起こされます。微生物汚染を目視で確認することは通常困難であり、特徴・特性の基本を認知しておくことが重要となります。「微生物とはどの様な生き物か」「取扱うための施設・設備は」などを中心に、食品工場における微生物の基本的取扱い手法について解説します。 1.微生物とは・・・食品微生物の基礎
2.微生物試験に必要な機材・設備
3.食品工場における微生物試験
1-5:食物アレルゲン対策の基礎と実際
食物アレルゲン対策の基本は、クロスコンタミネーション防止であり、製造全工程を視野に入れた広範囲の取組みが必要となります。本セミナーでは、行政の導入経緯、北米の最新情報、食品工場の取り組み事例から、食物アレルゲン対策の基本を理解し、コントロールプログラム作成のための基礎知識を習得します。 1.日本における法律の経緯
2.北米の情報
3.食物アレルゲン対策の考え方と実例
1-6:SSOPマニュアルの作成方法
食品製造機器の衛生管理には適切な洗浄と殺菌プログラム(SSOP)を構築することが必要です。基本ルール、使用資材と薬剤、洗浄の手順と見落としやすいポイントを機器ごとに作成することで、安定した洗浄効果を得ることが出来ます。SSOPの作成方法の基礎とステップについて解説します。 1.SSOP構築の目的
2.製造機器の管理項目と
   洗浄のポイント
3.SSOPマニュアル作成ステップ

2.応用・対策コース

食品危害は生物的・物理的・化学的危害に大別され、時には人命に関わる重篤な事故を引き起こします。応用・対策コースでは、危害の事例や対策方法を含め、食品製造現場に由来する具体的な問題解決を目的としたコースになります。

2-1:昆虫管理におけるレスケミカルの実現
2006年5月に残留農薬のポジティブリスト制が施行されました。工場で使用する「防疫用殺虫剤」も成分は農薬とほぼ同じであり、問題となる可能性があります。食品工場での昆虫の制御をレスケミカルに進めるためには、①現状を正確に把握するための調査手法、②清掃・洗浄を中心とした管理プログラム、③これらをPDCAサイクルで運用するための運営組織が必要です。ポジティブリスト制の下で求められる昆虫管理の基本的な考え方と、レスケミカルを実現するための管理手法について解説します。 1.ポジティブリスト制と工場の
   防疫用殺虫剤
   ~海外の規制の動向を踏まえて~
2.昆虫管理の基本的な考え方
3.レスケミカル実現の具体例
   ①生態学的側面からのアプローチ
   ②清掃・洗浄による効果と検証
2-2:生体由来異物の分析手法
昆虫混入クレームの発生時には、検体である製品及び混入昆虫から様々な情報を得て原因と工程を究明していきます。同定やカタラーゼ活性試験は一般的手法ですが、原因究明のためには昆虫の生理・生態に基づく生息痕跡や栄養要求、発育温量などの分析手法が必要です。これらの解説をするとともに、得られた情報から混入原因を究明していく推論の進め方について、ケーススタディを中心に説明します。 1.異物分析の手法
2.原因究明の方法
3.異物分析のケーススタディ
2-3:飲料充填室の環境危害対策
現在の飲料工場は多くが密閉系の設備で構築されています。その中で唯一開放系であり、重要な管理区域とされるのが充填室です。充填室の環境によっては、カビの発生や残渣蓄積により食菌性の昆虫が発生し、製品へ混入する危険性があります。飲料の充填室で起こる昆虫の発生や真菌の問題について、具体的事例を交えて、それらの制御方法について説明します。 1.飲料充填室の
   昆虫管理の考え方とその制御
2.飲料充填室の
   機器類の洗浄殺菌と環境管理
2-4:微生物危害の分析手法(潜在的な細菌危害を検出するための分離方法の設計)
近年、微生物試験法の発達により、特殊な技術がなくても迅速試験を行えるようになりました。しかし、公定法を含むこれら手法は特定危害菌のみを対象とするため、環境や製品に含まれる菌叢全てを検出することは困難です。微生物事故を未然に防ぐためには、公定法に加え自社の製造環境と製品特性に由来する潜在的危害菌を明らかにして管理することが必要になります。本セッションでは、環境や製品などの条件に合致させた潜在的な危害細菌の分離方法の設計について事例を含めて解説します。 1.近年の微生物事故事例
2.危害菌検出手法の設計
3.危害発生時の工程診断の実例
2-5:製造機器・環境の洗浄殺菌とSSOPのシステム
製造機器・環境の衛生管理は品質に直接影響する重要かつ基礎部分です。SSOPは従事者がその必要性と重要性を理解して運用しなければ効果は現れません。製造機器・環境の洗浄殺菌、SSOP運用時の課題、教育の方法などの実例を示し、確実に定着させるためのポイントについて説明します。 1.SSOPの重要性と問題点の実際
2.運用の検証と是正措置
3.定着のための教育と監査
2-6:クレーム対応マニュアルとリコールプラン作成
クレームには製品品質の向上にとって非常に重要な情報が含まれます。クレーム情報を最大限に活用するためにはクレーム対応マニュアルが重要であり、この中では過去のクレーム情報の解析方法も明確にしておく必要があります。損害拡大する可能性がある場合はリコールプランが発動されますが、1時間でも早く市場から欠陥商品を回収するための手順や情報が整備されている必要があります。また定期的な模擬リコールによって、プランの実効性と最新情報への更新を確実にしておくことが重要です。 1.クレーム対応マニュアル
   ①クレーム発生時の対応基準
   ②クレーム情報の解析と原因の究明
2.リコールプランの作成と
   模擬リコール
2-7:原材料受け入れ管理とSQA(Supplier Quality Assurance)
食品の安全性を保証する上で、原材料の品質は時として決定的な要素となります。受け入れ時の検査体制は不可欠ですが、これのみでは原材料の品質保証は困難です。SQAとは、供給者の品質保証の過程に購入者として関与し、求める品質の原材料の入手を確実にすることです。さらに品質に対する共通理念に基づいて供給者との協力関係を築くことにより、安定的な供給を目指します。原材料の受け入れ管理とSQAについて、北米の情報を紹介しながら解説します。 1.原材料受け入れ管理の重要性
2.原材料受け入れ体制の確立
3.SQAによる原材料の品質保証
2-8:リステリアコントロールプログラム
リステリアは他の食中毒に比べ致死率が高く、非加熱食品(RTE:Ready To Eat)による集団食中毒の原因菌として注目されています。北米やヨーロッパでは規制やガイドライン発行などの取組みが行われている一方、国内の認識は依然として低く、特に乳製品・畜水産食品では具体的な現場管理が望まれています。リステリアの特性と諸外国の対策事例を踏まえ、制御を実現するための管理方法について解説します。 1.リステリアの特性と試験方法
2.リステリアコントロールプログラム
2-9:食物アレルゲンコントロールプログラム
食物アレルゲンコントロールは原材料の確認から始まります。微量の汚染混入で発症することがあるため、信頼がおける供給者との取引が不可欠になります。次に製造工程の汚染リスクを確認し、コントロール方法を決定します。この中では洗浄が特に重要であり、洗浄のための教育とOJT、文書化により現場定着を図ることが求められます。食物アレルゲンコントロールプログラムの作成方法を詳細に解説、文書化に必要な項目と教育方法、定着させるための要件について解説します。 1.供給者のコントロール
2.製造工場のコントロール

3.トレーニング・技術スクール

HACCPシステム完成には、前提条件(PP)の構築と運用が求められ、自主管理による確認・対応が必要となります。本コースは、製造現場・品質管理部門に求められる技術と考え方の習得を目的としたプログラムです。

3-1:HACCPトレーニング PPコース
HACCPシステムの完成には前提条件であるPP(GMP)の構築と運用が不可欠になります。食品事故の多くはPPの不備によるものであり、自社のPPの現状を再検証することは非常に重要であると考えます。本スクールでは、PP全体の解説、HACCPプラン作成を含め、基礎・応用知識を中心に解説します。 全23セッション構成
3-2:防虫担当者の技術スクール
昆虫管理は日常的な自主管理が主体となります。そのためにはまず昆虫類を同定することが必要です。実習中心のトレーニングにより、工場で捕獲される昆虫の同定技術を身に付けることができます。また、調査結果から工場内のGMP上の問題点を抽出し、改善計画を作成するまでの一連の管理のための手法についても、実習形式で習得します。 1.昆虫の進化
2.昆虫の分類と同定
3.主要昆虫の生態と制御方法
4.昆虫モニタリングから
   改善計画書作成
3-3:細菌同定の技術スクール
日常モニタリング・製品試験で検出される微生物はその菌叢を把握する事で、特定菌種の有無・汚染拡散状況など様々な情報を得ることが可能です。近年、遺伝学的性質などの迅速・簡易的手法により、微生物の菌叢は比較的容易に把握することが可能になった一方、現場では設備やランニングコストの問題もあり、広く浸透していないことも事実です。微生物分類学の基礎と細菌の表現型分類に的を絞り、一般的な設備で実施可能な鑑別と同定技術について解説します。 1.微生物分類の基礎
2.細菌同定のスキーム(分類体系)
   ・・・表現型から遺伝型まで
3.BERGEY’S MANUAL OF
   Systematic Bacteriologyによる
   簡易識別手法