食品製造施設で発生するチャタテムシ類

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食品製造施設で発生するチャタテムシ類Psocoptera

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食品製造施設で発生するチャタテムシ類
①,②,③:有翅チャタテムシ類3種の成虫, ④⑤:コナチャタテ科, ⑤:コナチャタテ科の寄生蜂


  チャタテムシ目(噛虫目)には多くの種がいますが、食品製造施設では乾燥した食品や真菌を餌とする複数の種が生息します。
  食品製造施設のライトトラップで捕獲されるチャタテムシ類には湿度の高い環境を好み真菌を餌とする種がいます。これらは餌となる真菌のあるところに糸を吐いてその周辺で生息し、幼虫はライトトラップや山形粘着トラップでは捕獲されにくいため目視で真菌が発生している場所を探して生息場所を確認します。
  コナチャタテ科は乾燥した食品の粉を餌に発生することが多いですが、食品製造施設では真菌を餌として発生する場合があります。コナチャタテ科の成虫は無翅でありライトトラップには捕獲されないので、床置の山形粘着トラップ調査と目視確認が必要です。高湿度な環境を好みますが水のある場所には生息しないなどの特徴があります。   これらの天敵としてチリグモ科などのクモ目やコバチ類などの寄生蜂も発生します。
コナチャタテ科に寄生するコバチ類は0.15mm前後の大きさで目視では確認できないほど小さく、ライトトラップで捕獲されて初めて生息を確認されることがあります。同様の環境には真菌を餌とするヒメマキムシ科やダニ目が発生する場合もあります。

引用文献
谷壽一・津田訓範・湯本進一, 食品製造環境・製造機械の真菌とチャタテムシ類の発生防止対策,月刊HACCP.28(2).pp.37-43.2022.

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